かて

かて
I
かて
(接助)
〔「かてて」の転。 近世上方語〕
活用語の連体形に付いて, 逆接条件を表す。 …といったって。 …からとて。 …にしても。

「刀を出した~, 何の別に怖いことはないぞ/歌舞伎・復讐高音皷」「人待たす~程がある/雑俳・玉の光」

〔現代語でも関西地方で用いられる。 なお, 関西地方では, 副助詞としても用いられ, 体言または格助詞に付いて, 「…だって」「…でさえも」の意を表す。 「僕~, 我慢に我慢を重ねて来たのや/家族会議(利一)」「日本に~, 神戸の海岸通に大きなビルデイングあるやないか/細雪(潤一郎)」〕
II
かて【糅】
〔動詞「糅てる」の連用形から〕
(1)主食の量を増やすために混ぜ加えて炊く物。 アワ・ヒエなど。 加薬(カヤク)。
(2)かてめし。
III
かて【糧・粮】
(1)食物。

「その日の~にも困る」

(2)精神や生活のためになる必要なもの。

「読書は心の~」

(3)旅行に携帯した乾飯(ホシイイ)。 かりて。

「ある時は~尽きて草の根を食ひものとしき/竹取」

~を捨てて船を沈む
決死の覚悟で戦う。
〔「史記(項羽本紀)」による。 楚の項羽が鉅鹿の戦いで, 自軍の船を沈め, かまの類をこわして, 兵に必死の覚悟を迫って秦軍に大勝した故事から〕

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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